超大物将棋YouTuber「タイトル戦の棋譜を使わせろ」と囲碁将棋チャンネルを訴えてしまう

　将棋の指し手記録、「棋譜」の利用はどうあるべきか―。藤井聡太八冠（２１）らのタイトル戦で、棋譜を盤面図に再現した
動画を配信した男性ユーチューバーが、
日本将棋連盟の出資を受ける放送事業者
「囲碁・将棋チャンネル」の申請で動画が削除されて
配信収益が損なわれたとして、同社に約３４０万円の損害賠償を求めた訴訟が大阪地裁で争われている。

　同社は連盟などの主催者に協賛金を支払い、
棋譜の利用許諾や放映権を得た上で対局の様子や棋譜を有料で放送している。
一方、棋譜を管理する連盟はガイドラインを策定。外部利用に条件を定め、
主催者や協賛者以外による自由な商業利用は基本的に認めていない。
訴訟の結果によっては棋譜の利用のあり方について一石を投じそうだ。判決は来年１月１６日。
　訴状によると、男性は２０２０年９月～２３年１月、
藤井八冠らが対局したタイトル戦で、棋譜を使った動画１０本をユ
ーチューブなどで無料配信。動画は独自の盤面図を使って男性が
棋譜の感想を話す内容で、棋士の姿や対局場所は写っていなかった。
　これに対し同社は「営業上の利益を侵害された」として
ユーチューブの運営会社に動画の削除を申請。動画は一時削除された。
「放送視聴者が減って費用が回収できなくなれば、棋戦を開催できなくなる」としている。
　一方の男性は、許諾や放映権は主催者と囲碁・将棋チャンネルが
結んだ契約で他人は拘束されず、同社の番組とユーチューブ動画の構成も
全く異なると反論。「動画では打ち手（棋譜）という事実を使用して
盤面図に駒を配置しているに過ぎない」として、同社に対し
、動画が著作権を侵害していないことをユーチューブの運営会社に通知することも求めている。
　男性側と囲碁・将棋チャンネル側はいずれも取材に応じていない。日本将棋連盟は「他社の訴訟のため、コメントは差し控える」としている。

https://www.at-s.com/sp/news/article/national/1382803.html?lbl=10373